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国際結婚夫婦の子供の国籍

国際結婚した夫婦の子供が海外で生まれた場合、特に国籍の点で注意が必要です。

国籍留保の届出

国際結婚した夫婦の子供は、多くの場合、二重国籍となります。場合によっては、生まれた場所の国も合わせて三重国籍になることもあります。

 

ところが日本の法制度は基本的に重国籍を認めていません。日本人と外国人と の間に生まれた二重国籍者についても、最終的には一つの国籍を選ぶことを求められます。

 

海外で生まれた子供に関しては、この要求が非常に厳しいものになっています。 つまり、出生の時から3ヶ月以内に、出生届と同時に国籍留保の届出」 をしなければ、日本国籍を失ってしまうのです。

 

国籍法12条

出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたものは、戸籍法の定めるところにより日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼって日本の国籍を失う。

 

戸籍法104条

国籍法第12条に規定する国籍の留保の意思の表示は、出生の届出をすることができる者(略)が、出生の日から3箇月以内に、日本の国籍を留保する旨を届け出ることによって、これをしなければならない。

2 前項の届出は、出生の届出とともにこれをしなければならない。

 

国籍留保の届出をすれば日本国籍を持ち続けることができます。ただし、いつまでもというわけにはいきません。22歳までにいずれかの国籍を選択しなければなりません。

 

国籍法14条

外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなった時が20歳に達する以前であるときは22歳に達するまでに、その時が20歳に達した後であるときはその時か2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

 

期限内に日本国籍を選択しなかったときは法務大臣からの催告があります。さらにこの催告から1ヶ月以内に日本の国籍を選択しなければ、日本国籍を失います。

 

一方、出生の時から3ヶ月以内に国籍留保の届出をしなかった場合は、出生の時にさかのぼって日本国籍を失います。その後に日本国籍を得るには、帰化を申請するしかありません。

国籍留保の方法

上記の通り、日本国籍留保の届出は出生の届出と同時に行います。具体的には出生届の「その他」欄にその旨を記載します。ただし、在外公館に届け出る場合と日本の役所に届け出る場合とで記入の仕方がわずかに異なる可能性があります。

 

在外公館に届け出る場合

 

在外の日本大使館などの公館へ届け出る場合は、在外公館にある出生届の用紙を使うことになると思いますが、これには「その他」欄の中に「日本国籍を留 保する」という枠があります。その枠に親などの届出者が署名(+押印)すればよいのです。

 

専用の欄があるので、気がつかないとか忘れてしまうとかいうことは起こりにくいと思われます。

 

日本の役所に届け出る場合

 

子供が生まれたあとで帰国し、日本の役所に出生届を出す場合も考えられます。 この場合も日本国籍を持ち続けるためには国籍留保の届出をしなければなりませんが、届出書の書き方に注意が必要です。

 

日本の役所へ届け出るときには、その役所に置いてある出生届の用紙を使うことが多いと思います。この出生届の用紙は日本人同士の夫婦の子供にも使用される一般的なものですが、これには「日本国籍を留保する」という欄がありません。どうするのかというと、「その他」欄に自分で「日本国籍を留保する」と書くのです。これを書かないと、日本の国籍を留保する意思を表示したことになりません。

 

専用の欄がないため、気がつかなかったとか書き忘れてしまったとかいうことが起こる恐れがあります。万一、この記載をせずに届け出てしまったときはどうなるのでしょうか。日本国籍を失ってしまうことになりそうですが、救済の道はあります。

 

このような子供の出生届が出されたとき、役所の戸籍係は、国籍留保の意思を確認しないまま受理してはならないとされています。ですから、役所の窓口で戸籍係が気づき、確認を求めてくれることが期待できます。

 

役所が誤って受理してしまった場合でも、後で追加の届出をすることができます(そのような例が過去にあります)。従って、形式上は日本国籍を失ってしまっているように見えるときでも、役所にかけあってみる価値はあります。