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国際結婚のための要件

  • 「エジプト人の男性と結婚することになりました。しかしエジプトは一夫多妻制で、私の他に別の奥さんがいます。この結婚、OKでしょうか」
  • 「日本人男です。オランダの男性と交際しており、結婚したいと思っています。オランダでは同性婚が認められているのですが、日本で婚姻届は受理されるでしょうか」

国際結婚の要件について紹介します。

国際結婚の要件 -- 原則

日本で国際結婚しようとする場合、夫婦それぞれが各自の本国の法律で定められた要件に従う必要があります。例えば日本人男とフィリピン人女が結婚しようとする場合、男は日本の法律の要件に従わなければならず、 女はフィリピンの法律の要件に従わなければなりません。 在日韓国人であれば、たとえ日本で生まれ育ったとしても、結婚するには韓国法での婚姻要件を満たしていることが必要です。 どの国にどんな要件があるのかについては各国の結婚の条件にいくつか紹介しているので参考にしてください。

 

夫婦それぞれが各自の本国の法律に従えばよいのだとすると、冒頭のエジプト人やオランダ人との結婚は、年齢など他の要件をクリアしていればOKだということになります。でも実際のところ本当にそうでしょうか。市町村役場は婚姻届を受け取ってくれるでしょうか。

一方的要件と双方的要件

婚姻が成立するための要件には、当事者の一方だけに関係するものと当事者の双方に関係するものとがあります。前者を一方的要件、後者を双方的要件といいます。

 

一方的要件には次のようなものが挙げられます。

  • 婚姻の意思があること
  • 一定の年齢(婚姻適齢)に達していること
  • 保護者などの同意が必要な場合、それがあること

双方的要件には次のようなものが挙げられます。

  • 近親婚でないこと
  • 重婚でないこと
  • 再婚禁止期間を経過していること
  • 人種上宗教上の理由で結婚が禁止されている関係であること

このうち双方的要件については両方の国の法律を満足している必要があります。したがって、エジプト人男の例は、男の方が日本法の重婚禁止に違反するため、日本法での婚姻は認められないことになります。

国際結婚の要件 -- 日本における例外

原則的な要件を満たしていても日本の役所で婚姻が認められない場合があります。それが公序良俗違反です。

 

国際的事件についてどこの国の法律を適用するかを交通整理する法律があります。適用する法(準拠法といいます)を決めるための法律で、「法の適用に関する通則法」といいます。 この法適用通則法第42条に以下の定めがあるのです。

法適用通則法第42条
外国法によるべき場合において、その規定の適用が公の秩序又は善良の風俗に反するときは、これを適用しない。

この規定により、オランダ法で認められている同性婚などは、日本においては適用されない可能性が極めて高いと思われます。もっとも、同性婚が公序良俗に違反するかどうかを最終的に判断するのは裁判所なので、役所で受け取りを拒否されたとしても裁判に訴えるという手段はあります