リーガルワークス合同事務所

25

2月

2010

コンプライアンス違反とリスク - 関戸幸一「コンプライアンスの部屋」

コンプライアンスが「法令遵守」を意味することからも分かるとおり、コンプライアンス違反を起こした企業は法的責任と社会的責任とを負うことになります。裏を返せば、コンプライアンスに取り組むことはリスク管理に取り組むことに直結します。

法的責任としては次のようなものが考えられます。

 

行政指導 行政庁が一定の行為または行為の停止を求めるもので、「勧告」や「助言」という名目で発せられることもあります。法律上は行政指導に従う義務は原則としてありません。しかし行政指導が法令違反の恐れによって行われたものである場合は、放置すると後述の行政処分を受ける可能性があります。

 

行政処分 行政庁が強制力をもって一方的に権利義務を決定するもので、許認可等の取り消し・資格や地位の剝奪・職務の解任といった重大なものもあります。行政処分に対して事前には意見陳述の機会が与えられ、事後には不服を申し立てることができます。しかし、それなりの確証をもってなされた行政処分を覆すのは簡単ではありません。

 

訴訟 代金支払いトラブルや労働トラブルなどが起こり、話し合いで決着がつかなかった場合、訴訟に発展することがあります。訴訟になれば、訴える方も訴えられる方も時間的費用的負担が馬鹿になりません。まして敗訴ともなれば受けるダメージは甚大です。

 

社会的責任には次のようなものが考えられます。

 

取引停止・不買運動 コンプライアンス違反について新聞で報道されたり風評が立ったりすると、取引先から業務の継続を断られたり消費者の不買運動が起こったりすることがあります。顧客からの信頼を失うことは事業主にとっては致命的であり最も怖いことです。

 

なお、コンプライアンス違反を気にしすぎることによるデメリットもあります。コンプライアンス不況と呼ばれる事業活動の萎縮や個人情報保護の過剰反応などです。コンプライアンス違反の境界が分かりにくい場面については、本来の制度の趣旨をよく理解したうえで適切な対応を考えることが求められます。

 

行政書士 関戸幸一