リーガルワークス合同事務所

07

1月

2010

個人情報保護のツボ 〜開示等の求め〜 - 関戸幸一「コンプライアンスの部屋」

事業者が開示や訂正する権限を持っている個人データについては、本人関与の仕組みとして一連の義務が事業者に課せられています。具体的には、本人から求められた場合、事業者は(1)利用目的の通知(2)開示(3)訂正等(4)利用停止等を行わなければなりません。今号ではこの開示等の求めについて、個人情報保護法に沿って説明いたします。

(1)の利用目的について、事業者は個人情報を取得するに際して利用目的を通知または公表しなければなりません。これは7月号で紹介したとおりです。そのうえで更に、本人からの求めがあった場合には改めてこれを通知しなければなりません。明確な利用目的なしに漫然と個人情報を取り扱うことに対して、法は何重にもわたる制限を加えています。

 

(2)の開示についての規定は、特定の事業者が自己を特定できる個人情報を保有しているか否かを知るために設けられています。保有していなければ保有していない旨を事業者は通知しなければなりません。

 

(3)の訂正等とは、データの訂正・追加・削除のことです。ただしこの義務は、内容が事実でない場合に、利用目的の達成に必要な範囲において適用されます。例えば利用が完了し廃棄が予定されている場合などは、事業者は訂正等に応じる必要はありません。

 

(4)の利用停止等とは利用に停止とデータの消去のことです。(3)の削除は情報の不要部分を除去するという意味であり、ここでいう消去と異なります。利用停止等は、データが利用目的に反して取り扱われていたり適正でない方法で取得されていた場合に、本人が求めることができます。本人は第三者提供の停止を求めることもできます。消去を求められた事業者の対応としては、個人を識別できないようにする「匿名化」でも構いません。

 

なお、本人がこれら開示等の求めを行える前提として、一定の事項を本人の知りうる状態に置くことが事業者に義務付けられています。具体的な事項は事業者の氏名または名称、すべての保有個人データの利用目的、開示等の求めに応じる手続、苦情の申出先などです。方法としてはウェブサイトに掲載するなどが考えられます。

 

※参考文献 岡村道夫『個人情報保護法』(商事法務、2004年)

 

行政書士 関戸幸一