リーガルワークス合同事務所

16

3月

2009

外国人研修生の待遇改善へ - 高橋弘次「労務のポイントウェブサイト」

安価な労働力として利用され、低賃金労働の温床との批判が根強い「外国人研修・技能実習制度」をめぐり、最低賃金法や労働基準法の適用拡大で研修生を保護する制度改正を法務省が検討しています。「就労研修」という在留資格を創設し、入国後早期に労働法令適用の対象にすることが柱で、今国会に提出予定の入管法改正案に盛り込む方針です。

外国人研修生の待遇改善、最低賃金など保障 法務省方針

現在は1年目の在留資格「研修」では労働法令が適用されず、技能実習(2、3年目)から適用されますが、改正案では1年目の在留資格を「就労研修」とし、2カ月の座学の後は最低賃金や残業代を保証するなど労働法令を適用することで待遇改善を図ります。

 

中小企業団体など受け入れ団体を通じて研修生を受け入れている企業への罰則も強化します。また、受け入れ団体に対しても、月1回は企業を訪れて研修状況を確認させるなど、指導を強化します。

 

この制度に関して、単純労働力の受け入れに消極的な厚生労働省は3年間の実習に一本化し、高度な技能検定を義務づけるなど、実習としての実効性を確保する改革案を公表しています。一方、長勢甚遠元法相が座長の自民党プロジェクトチームは昨年7

月、現行制度を廃止し、最長3年の「短期就労」を認める制度を提言。労働者としての受け入れ促進と権利保護を図る考えを示しています。

 

研修・技能実習生への残業代不払いや最低賃金未満で働かせるなどの不正行為は、各地で多発しています。昨年11月には、長崎県の青果卸売会社が中国人実習生7人に最低賃金を下回る賃金しか支払わなかったとして、最低賃金法違反などの容疑で書類送検されました。

 

特定社会保険労務士・行政書士 高橋弘次