リーガルワークス合同事務所

19

1月

2009

個人情報保護のツボ 〜個人情報の保護が必要なわけ〜 - 関戸幸一「コンプライアンスの部屋」

今回から個人情報保護をテーマに取り上げてまいります。簡単なようでいて一筋縄では行かず、狭いようで意外と幅広いテーマです。個人情報を扱う方と扱われる方の双方にとって役に立つお話をしていく予定です。

個人情報流出の例

個人情報が適切に保護されず外部へ流出すると、いったい何が起こるでしょうか。その実例をいくつか紹介します。

 

まず、多くの方が経験されていると思われるのがダイレクトメールを初めとする売り込みです。覚えのない差出人からダイレクトメールが来たり、心当たりのない業者からセールスの電話がかかってきたりすることは、ほとんどの方が体験しているのではないでしょうか。私にも経験があります。特に電話の場合は何とも言えない不快感と薄気味悪さを覚えます。

 

より深刻な例もあります。私が実際に相談を受けた例ですが、知的障害者が20歳になった2〜3日後に聞いたことのない業者から電話がかかってきたという事案です。その業者は本人を外へ誘い、お金を渡して印鑑を作らせ、銀行の前まで連れて行って口座を作らせた上で高額の装飾品をローン購入させていました。これは直接には悪徳商法の問題ですが、間接には、知的障害者の個人情報が流出していたという個人情報保護の問題です。おそらく養護学校の生徒(あるいは卒業生)の名簿が流出していたのでしょう。

 

また近年の情報化社会を反映してこんな例もあります。使用しているパソコンが何らかの原因によってウイルスに感染し、そのパソコンに保存されているデータすべてが本人の知らぬ間にインターネットへ公開される状態になってしまったという例です。保存データすべてが公開されるということは、文書や画像・動画はもちろん送受信したメールも公開されます。つまり、そのパソコンの使用者がほぼ間違いなく特定されます。会社や学校などの所属先も高い確立で特定されます。すると「○○の何某という人はこんな画像を保存している」とか「誰々とメールでこんなやりとりをしている」ということが世界中に知れてしまいます。現実に被害にあった人も出ており、そんな話を聞いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。

何らかの対策は必ず必要

上で紹介したのは特徴的な事例ですが、様々な類型の個人情報流出が日々至る所で起こっていることがメディアで伝えられています。個人情報が流出するとその持ち主が被害を被るのみならず、流出させたのが事業主だった場合は、その事業主にとっても社会的信頼を失うという打撃を受けます。被害・打撃を受けないようにするにはどうしたらよいか、受けた被害を最小限にとどめるにはどうしたらよいか、次回以降でお話ししたいと思います。

 

行政書士 関戸幸一