リーガルワークス合同事務所

18

8月

2008

適正な広告表示(2) - 関戸幸一「コンプライアンスの部屋」

前回に引き続き「優良誤認表示」についてお話しいたします。景品表示法で禁止されている優良誤認表示をおさらいすると次のとおりです。

品質や規格について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すこと。または事実に相違して競合他社のものよりも著しく優良であると示すこと。

 

優良誤認表示については、事業者にとって重要な注意点がありました。優良誤認表示でないことの立証責任が事業所側にあるという点です。

不実証広告規制という「壁」

この点についてもう少し詳しく説明すると次のようになります。すなわち、公正取引委員会は、優良誤認表示か否かを判断するため必要があると認めるときは、事業者に対し、その表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。そして、事業者が資料を提出しないときや、提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであると認められないときには、その表示は優良誤認表示とみなされるのです。実証されない広告が禁止されるということから、この規程を不実証広告規制と呼びます。

 

不実証広告規制は事業者にとってもう一つ重大な「壁」となります。公正取引委員会から資料の提出を求められた場合、原則として15日以内に出さなければならないのです。要求があってから15日で資料を作成し提出するのは非常に困難です(後の記述をご覧ください)。逆にいうと、商品・サービスの効果や性能に関する広告表示をする場合には、その表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料をあらかじめ準備しておく必要があります。

「合理的な根拠を示す資料」とは

要求があってから15日で資料を作成し提出するのは非常に困難だと記しました。

 

それは次のような理由からです。 商品・サービスの効果や性能に関する表示の裏付けになる「合理的な根拠を示す資料」であると認められるためには、次の2つの要件を満たす必要があります。

 

  1. 提出資料が客観的に実証された内容のものであること。具体的には次のいずれかに該当するものです。
    1. 試験・調査によって得られた結果。
    2. 専門家・専門家団体もしくは専門機関の見解または学術文献。
  2. 表示された効果や性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること。

 

なお、上記の試験・調査の方法は、商品・サービスの効果や性能に関連する学術界もしくは産業界において一般的に認められた方法または関連分野の専門家多数が認める方法によって実施される必要があります。

 

また、消費者の体験談やモニターの意見等については、無作為抽出法で相当数のサンプルを選定し、作為が生じないように考慮して調査するなど、統計的に客観性が十分に確保されていなければなりません。商品の購入者による体験談についても、体験談を送って来る人はその商品を購入して効果のあった人が多いと考えられ、効果のなかった人との比較が正しくできないことなどから、客観的に実証されたものとは認められません。

 

行政書士 関戸幸一